つれあいと私は、コーヒーショップでコーヒーを飲んでいた。ガラス越しに見える、デパートの福袋を植込みのへりで開けて確認しあっている親子、コーヒーショップのテーブルで袋の中を開けているキレイなお姉さんの姿を見ていた。
「福袋って得かもしれないけど、要らないものも入っているし、それを捨てられずに家の中、散らかるよね」「そうだね」
 言葉にはしないが、あんなもの買う奴はバカだというニュアンスを混めた会話をしていた、嫌味な夫婦でした。
 しかしその20分後、私達の手には福袋4つがぶら下がっていた。元旦の初詣、今日のこの福袋など、私達は今までにとったことのない行動をしている。
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2人でコーヒーを飲んでいた。猫舌の私のカップにはまだ半分もコーヒーが残っていた。
「行こう」
さっさとつれあいがコーヒーショップをあとにした。おいおい、椅子にはあんたのリュックがかけたままなんだけど…。
「早く、早く」
ちょっとぉ。リュックのこと、すっかり忘れてるわけ?あたし2人分の荷物持ってるんだよ。
「あ、ごめん、ごめん、すっかり忘れてた」

そうか、あいつは福袋を買いたかったのか…。

その5分後、彼は、ワインやドレッシングが入った福袋を買っていた。
「ちょっとぉ、福袋なんか買うのぉ?」
「食べ物は消耗品だから無駄にならないんだよ」「あっ、そうかぁ」
そのまた5分後、私達はガラスの蓋のステンレスの鍋、ステンレスの足つきボールが入った福袋を手にしていた。「これは前から欲しかった物だし、鍋だけでもこの値段はするから得だね」「そうだね」「福袋っていいね」「お正月だしね」
そのあと、いつもの輸入食品店で一つ、エプロンやキッチンウエァを扱っているお店でまた一つ、私達は福袋を買ったのである。
3000円×3と1000円×1。計1万円なり。
まっ、いいか。
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上はウソは書いていないが、事実を意図的につなぎ合わせるとこうなる。つれあいは、きっと不満だろう。書いたもの勝ちだもんね。でも、テレビなどのニュースもこうやって捏造とまではいかないが、事実のつなぎ合わせで、ウソじゃないけど、本当じゃないことが結構あると思う。例えば、国民的人気の政治家とかね。私の周囲であの人を支持している人なんていやしないよ。そんな国民的指示を得ている人って一体…とかね。

カッコワルかったけど、スポーツクラブのフロントに4つの福袋を預けて、チェックインした。

アタシは人とはちょっと違うんだとか、アタシはミーハーじゃないんだという思いを持って生きてきたと思う。最近、少しずつ、少しずつ、人からどう思われるかよりも、自分がどうしたいかを考えて行動できるようになってきた。

そうです、クリスチャンだけど、お正月気分に浸りたくって初詣なんてやってみたかったのです。
中味は何かしらと、ドキドキしながら福袋を買いたかったのです。

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